皆さんこんにちは!
中国在住20年超のもりむらきよかです。
今日からシリーズでお届けします、「中国語をネイティブっぽく話すコツ」。
中国ビギナーもマスターも、ほんのちょっとした変化で、自分の中国語を「こなれた」感じにすることができますよ!
中国語をネイティブっぽく話す簡単なコツを、たくさんの例文とともにご紹介します。
中国語こなれ感を出すポイントは「了」にあり?!
ネイティブっぽい中国語を話すコツシリーズ、記念すべき第1回目は「了」を使った表現をお伝えしたいと思います。
「了」は中国語で「ラ(le)」もしくは「リャオ(liao)」と読みます。
中国語学習者でなくても、この漢字を見れば大体の意味は予想できますよね。
日本語でも「終了」などと使われるように、完了や過去を表します。
難しい文法用語だと「過去・完了接尾語」なんて呼ばれたりします。
【例文】
我买了宫本浩次的新碟片
「私は宮本浩次の新譜を買いました」
我昨天看了宫本浩次写的书
「私は昨日宮本浩次が書いた本を読みました」
※筆者の個人的嗜好により、例文のシチュエーションに一部偏りが見られますがご了承ください。
こんなふうに、その行動が過去であるということを示すために動詞の後ろにくっつけるのですね。
その「了」が、なぜネイティブっぽく話すコツになるのか。
実はこの言葉、過去や完了を表す目的以外でも使われるのです。
というかそれ以外で使い倒される方がおおいというくらい多用されます。
「了」を自然な感じで文章の中に入れることができると、ぐっと「こなれ感」が増すのです!
未来や仮定を表す「了」?!
過去や完了を表すための用途がメインと思われがちの「了」ですが、実は過去とは真逆の、未来のことや仮定のことを表すのにもつかわれるのです。
例えば、友達との別れ際。
「もう行くね。」・・これを中国語で何と言いうと、
那我走了!
となります。
まだその場を去っておらず、今から起こることを言っているわけですが、ここでの「了」は必須。つい、
我走!
と言ってしまっても、きっとその場のニュアンスで理解してくれるでしょう。
でも語尾に「了」を付けること、ぐっと自然な中国語になって、「ネイティブ感」がUPしますよ!
【例文】
宫本浩次快要55岁了
「宮本浩次はもうすぐ55歳だ」
※「快要・・・了」は「もうすぐ~だ」という近い未来を表す定型文として覚えておくととても便利な表現です!
我吃了!
「いただきます」
(叮当~)哦,我来了~!
「(呼び鈴がなって)はーい、今行きます~!」
※中国語の「行く」は、相手から見て自分が近づいている場合は「来」となるので注意が必要!いつかこの辺りも詳しく解説できればいいな。とりあえず今は「ザキヤマがく~~るぅ~~~~」のイメージで覚えてください(笑)
また、仮定「If」の内容を表す時にも「了」を使うとシュッとします。
仮定を表す中国語というと、「如果(るーぐおー)」を思い浮かべる人が多いと思います。
でも、如果を使わなくてももっとこなれた感じで仮定を表すことができるんです。
例えば、「ジョニーが来たなら伝えてよ、2時間待ってたと」(byジョニーへの伝言)
を中国語で表現する場合、
如果Jony 来,请告诉他我等了他两个小时
と表現することもできます。
でも、なんというか、ちょっと大げさな感じというか、「ジョニーが来るはずはないけど・・」みたいなニュアンスを含んでいる感じがします。
もちろん、この歌のようにそういうドラマチックな場合もあると思うのですが、普通にただ伝言を頼むだけのの場合、
Jony来了,请告诉他我等了他两个小时
こちらの方が「ジョニー来たら言っといて~!」という軽い感じになります。
何というか、「仮定」というよりも、起こることがほぼ確定している未来を表す場合、というニュアンスです。
【例文】
你今天几点回家?下班了就回家。
「今日何時に帰る?」「仕事が終わったらすぐ帰るよ」
※中国では家庭のある人は男女問わず、退勤後飲みに行ったり遊びに行ったりすることは少なく、定時ダッシュで帰宅する人がほとんどです。すばらしい!
你作业做好了才可以玩游戏
「宿題が終わったらゲームをしてよし」
※私がほぼ毎日息子に言っているセリフ(笑)
過去だけでなく、未来や仮定を表す時にも「了」を使えるようになると、「ツウ」っぽさが格段にアップしますよ!
つまりはビックリマーク?!強調の「了」
次にご紹介するネイティブっぽく聞こえるための「了」は、強調したいときやアクセント的に使う「了」です。いわば「!(エクスクラメーション)」の代用のような使われ方をします。
例えば、ふと何かを思いついたとき、日本語でいう「そうだ!」を中国語で表すと、
对了!
となります。
了がつくことで、「今気づいた!」という臨場感が増すのです。
ただ、この場合「对!」だけではしっくりこないというか、文法うんうんじゃなくてなか感覚的、リズム的に気持ち悪い、というのがあります。
ここは「了」を付けたほうがいい、つけると変、というのは、正直感覚的なものも多く含むので、ある程度沢山の中国語を聞いて話して、その感覚を身に着けていくしかないかもしれません。
中国語って割とそういうところが多いので、「文法」にあまりこだわり過ぎず、感覚を磨いていく方が上達するのが早いんじゃないかなぁと思っています。
【例文】
这个房间冷死了,空调坏了吗?
「この部屋さっむーーー!!エアコン壊れてる?」
※「~死了」というのは「死ぬほど~」という意味で使われます。「喜欢死了!(好きすぎる~!)」「高兴死了!(うれしすぎる~!)」などポジティブな意味でも使われますよ。
别忘了提交作业给老师!
「先生に宿題を提出するのを忘れないで!」
※こちらも私が毎日息子に言っているセリフ。「別~了」も、「~するな」という意味のカジュアルな表現に使える頻出定型文です。
好了好了,不要哭了。
「ほらほら、もう泣かないで」
※こちらも「不要~了」という形で、「別~了」と同じように「~しないで」という言い方に使われます。この「了」がなくても意味は通じますが、あった方がしっくりくる感じ、と言いましょうか。「不要~了」の定型で覚えるといいと思います。ちなみに「不要再吃了」(もう食うな!食べすぎ!)も我がよく息子に放つセリフです(笑)
上海人は「了」がお好き?!
ここまで、「了」を使いこなしてこなれた中国語を話すコツをお送りしましたが、最後に、上海語と「了」のお話を・・。
上海語とは、上海及びその近郊の地域で話されている方言の一種ですが、これがまた、方言と言っていいレベルじゃないほど普通語(標準語)とは全然別物です。
上海語について詳しくはこちらをご覧ください・・↓
この上海語、「了」をこれでもか!と使う言葉なんです(笑)
例えば、「そうだよね」と同意を求める時、
標準語だと
对吧(どぅいば)
となるのですが、上海人はよく
对吧了(でばら)
と、語尾に「了」を付けます。
10秒に1回くらいの頻度で登場するのではないかと言っても過言ではないくらい、 上海人の会話にはこの 吧了 が登場します。
【例文】
侬讲对吧了!(のんがんでばら)「(俺の言ってること)正しいだろ?!」
※上海人は総じて押しの強い方が多く、会話の中で何度も相手に同意を求める傾向にあります(笑)
侬功课做了吧了?!(のんごんくずおらばら)「宿題やっただろうな?!」
※完了の「了」と「吧了」の組み合わせもめちゃめちゃよく登場します。初めて上海に来た時は「らばら~」という特徴的な発音に気おされ気味でした(笑)
まとめ
- 過去や完了を表す以外の「了」をうまく使いこなすとネイティブに近づく
- 「了」で未来や仮定を表す表現ができる
- なくてもいいけど、付けたほうが「ツウ」ぽくなる「了」もある
- 上海人はとくに「了」がお好き(笑)
次回「中国語をネイティブっぽく話すコツPart2」は「疑問文は吗よりも反復形を使ってみよう!」をお送りします。
お楽しみに♪