皆さんこんにちは!
上海在住20年、マルチリンガルな息子の子育てに奔走するワーママライターのもりむらきよかです。
「もしも無人島に何か1つだけ持っていくとしたら・・?」
よくこんな質問を耳にすることがありますよね。
行き先が無人島の場合はさておき、もし「出かけるとき何か一つだけ持っていける」としたら。
私は財布でもカギでもなく1,000%「ケータイ」を選びます。
おそらく、中国人民であれば9割がた同意してくれるでしょう。
それは電子マネーによるスマホ決済機能が異常なまでに充実している事によるのです。
そんな便利なスマホ決済を利用するために不可欠な要件の一つが「中国の銀行に口座をもっている」ということです。
ただ、最近中国の銀行では外国人の口座新設条件がどんどん厳しくなっていると聞きます。
今日は私が2019年6月に「中国工商銀行」に口座を新設した際の体験をもとに、
「外国人が中国で銀行口座を作る」にあたっての最新事情をお届けしたいと思います。
(2020年4月更新)
【目次】
- 【中国銀行口座開設】もはやライフライン!中国スマホ決済事情
- 中国スマホ決済を利用するには中国の銀行口座開設が必要!
- 中国の銀行で口座開設するために必要なものは?
- 中国の銀行で口座を開設するには日本のマイナンバーが必要?!
- 最新!外国人の中国銀行口座開設に必要なものリスト完全版!
- 【まとめ】外国人が中国の銀行で口座開設するために必要なもの
【中国銀行口座開設】もはやライフライン!中国スマホ決済事情
私は以前、新しい通勤バックに変えたタイミングで財布を移すのを忘れ、
そのまま1週間以上財布なしで通勤していたことがあります。
まっっったく困りませんでした。(だから気づかなかった・・)
でも、もしケータイを忘れたとしたら多分家をでて10秒で詰みます。
例えば平凡なサラリーマンの一日。
- 家から駅まではMobike(シェアサイクル)でGo!
- 地下鉄の改札も交通カードアプリを改札かざして楽々通過
- 会社近くの屋台で朝ごはんの煎饼(中国風クレープ)と豆乳をケータイ決済
- 暑くて外に出たくない!Lunchは饿了吗(出前アプリ)で済ませちゃおう
- 今晩の夕飯の材料、今から盒马新鲜(スーパーの配達サービス)で頼んでおけば帰ってすぐちょうど家にとどくな!
- お仕事お疲れ様!今日は疲れたからタクシーで帰ろう。滴滴打车(配車アプリ)で楽々車手配。
これ、ぜーーーんぶスマホ決済です。
上記の中で現金で代用できるのは地下鉄のチケットと屋台の朝ごはんくらいでしょう。
でも地下鉄の販売機も「現金」が使えるマシーンはどんどん減ってきているし、
屋台もスマホ決済オンリーのところが増えてきています。
中国では、スマホ決済がもはや「ライフライン」と言っても過言ではないほど重要な生活インフラとなっていることがお判りいただけると思います。
中国スマホ決済を利用するには中国の銀行口座開設が必要!
中国のスマホ決済と言えば「Wechat(ウィーチャット)」と「Alipay(アリペイ)」。この2台巨頭がスマホ決済市場の9割以上を占めているといわれています。
中国で暮らすうえでなくてはならないツールですが、これらを利用するには中国の銀行の口座を登録する必要があるのです。
※厳密にいうと、それぞれのアプリ開設に必要な本人承認は外国のクレジットカードでもできる場合があり、開設後すでにWechatやAlipayを利用している友人から送金してもらうことで
利用することは可能なようなのですが、利用金額制限が非常に低く、あまり現実的ではないようです。
しかし困ったことに、中国では以前と比べて外国人の口座開設条件が厳しくなっています。
数年前まではパスポートさえあれば本人が行かなくても開設できることさえあったのに・・。
私は2019年6月、ある理由から「中国工商銀行」に口座を開設する必要に駆られていました。
中国建設銀行や浦東開発銀行にすでに口座を持っていますが、それらを開設したのはもうかなり昔。
新たに口座を開設するのは10年以上ぶりでしたので、まずは中国工商銀行の窓口に行き、
申請に必要なものについて聞いてきました。
中国の銀行で口座開設するために必要なものは?
お昼休みを利用して工商銀行へ赴き、受付で「外国人であること」「新規に口座を開設したいこと」を告げました。
すると、受付のおばちゃんは親切にも「申請に必要なもの」をメモに列記して渡してくれました。
おばちゃんが教えてくれた「必要なもの」
- 护照(パスポート)
- 居留证(居留許可証。ビザとは別に中国入国後申請が必要)
- 地址(住所。管轄派出所発行の「境外人员临时住宿登记单」を提出)
- 手机号 (中国国内の携帯番号)
- 纳税人识别号 (納税者番号)
この5つでした。
1~4は問題ないとして・・
5の納税番号、これが私にとってはちょっとした問題でした。
その時わたしは転職直後で、現職ではまだ納税履歴がなく、
納税番号を知るためには、前の会社のある地区の税務局(めちゃ田舎)まで行く必要があったのです。
仕方なく片道2時間近くかけ田舎まで出向き、納税番号をゲットしてきたのでした。
で、満を持して口座開設に向かったのですが・・・
中国の銀行で口座を開設するには日本のマイナンバーが必要?!
予想通り1~4の書類は全く問題なく。
しかし、わざわざ往復4時間もかけて取りにいった「納税番号」の資料を見るなり
「コレジャナイ!日本の納税番号!マイナンバー!!」というじゃないですか!
いやいや、「纳税人识别号」って言われたら、中国の納税番号だと思うだろー!
というかそれ以前に、私は日本の住民票を海外転出しているため、マイナンバーがありません・・。
その旨を説明しても「マイナンバーがないと作れない」と一点張り・・。
もはやここまでかとあきらめそうになりましたが、窓口のお兄ちゃんがちょっと気弱そうだったのもあり、強気にごねてみました。
「海外に住むために住民票を抜くのは日本の法律で決まっていることで、こうして中国に住んでいるからこそ銀行口座開設が必要なのに、
日本のマイナンバーがある人=日本に住民票がある人しか中国の口座が作れないって矛盾してるんじゃない?おかしくない?!
私はどうしたらいいの?どうやって給料を受け取ったらいいの!!」
結構大げさにいかったり嘆いたりしたところ(←いや、でも至極正論だと思う)
おにいちゃんは奥のほうで上司らしき人と相談に行き・・戻ってきて
銀「じゃ、日本の免許証とか保険証とか、とにかく日本の公的な証明書はあるか?」
私「免許書あります!でも原本は今日持ってきてないんだけど・・」
銀「あ、携帯のスクショとかでもいいよ」
私(え・・いいんだw)
ってことで、携帯に入っていた免許証の写真を見せることで無事口座開設ができました。
結局、マイナンバーを登録すると言っても、多分日本側のシステムと紐づけされているわけじゃなくて、
とりあえず日本の番号だったらなんでもいいや、という感じでしたね・・。
だって、お兄ちゃんも、私の免許書のスクショを見てその番号とりあえず入力した、ってだけでしたし。(コピーもとられない)
※もしかしたら、いずれは日本のマイナンバーと連結し、中国側での収入とか、日本での納税状況とか、それぞれ筒抜けになる日が来るのかもしれない・・
それはそれで恐ろしい・・
無駄足を食わされたものの、柔軟(適当?)な対応はさすが中国!でした(笑)
最新!外国人の中国銀行口座開設に必要なものリスト完全版!
そして本日、再び工商銀行を訪れました。
前回口座開設から2か月近くたっているので、もしかしたら必要な書類や手続きに変化があったかもしれないと思ったのです。
前回と同じように受付に行き、外国人が口座を作るにはどうしたらよいか、受付のおばちゃん(同一人物かどうかは不明。でもやはりおばちゃん)に聞いたところ、
すべて話し終わらない間にさっと1枚の紙を差し出しました。
それがこちら!!
※(更新)2020年4月13日に再度銀行窓口を訪れ外国人が口座を開く場合に必要なものを確認しましたが、上記条件に変更はありませんでした。
おお!!おばちゃんの手書きではなくてちゃんとした資料が出来上がっている!
おばちゃんが書いてくれた内容よりずっと詳しくてわかりやすい!!
そして微妙に食い違いもある!!!(笑)
たとえば2.について、おばちゃんは「居留許可証」と書いていましたが、
「就業許可証」と「雇用契約書」となっている!
つまり、就業目的で中国に滞在している人しか基本口座開設はできないということなのか?!
例えば留学生とか、駐在帯同の家族の場合働くことが許可されていない居留許可しかとることができない。
となると、口座は開設できないのか・・・
これは、2か月前よりさらに口座開設条件が厳しくなっているということかもしれません。
おばちゃんが書き間違っただけかもしれませんが(笑)
長期の中国居留許可を持っていたとしても口座開設がどんどん厳しくなっている現状、
短期の出張や旅行で口座を開設するのはほぼ不可能かもしれません・・・。
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【まとめ】外国人が中国の銀行で口座開設するために必要なもの
■2020年4月現在、外国人が中国工商銀行で口座を開設するために必要なものは
- 半年以上の長期ビザのあるパスポート
- 就業証・労働契約書
- 派出所発行の居住証明/賃貸契約書
- マイナンバー(日本人の場合)
- 中国大陸の携帯番号
■正式に居留許可を持っている長期滞在者でも口座開設が難しくなる傾向
■旅行者や出張者には口座開設の壁はかなり高いと思われる
■(NEW!!)2019年11月以降、Wechat pay, Alypayで外国のクレジットカードの登録が可能に⇒中国に銀行口座がなくても電子マネー決済が可能に!
※ただし使えるサービス内容主に店舗での決済や飛行機・鉄道チケットネット購入などに限られており(中国への外国人旅行者をたーげっとにしているから?)、DIDIなどの配車アプリやMOBYKEなどのシェア自転車は使用できないそうです。