2022年末、20年以上に及ぶ上海生活に一端ピリオドを打ち、息子の中学受験のため本帰国した我が家。(夫は後から合流予定)
大人になってからのほとんどの時間を上海で過ごしてきた私と、産まれてからほとんどの時間を上海で過ごしてきた夫と息子。そんな「ほぼほぼ上海人一家」が日本に移住、しかも中学受験に挑戦という大きすぎる決断をするに至った背景や、受験準備、引っ越しや移住手続きなど、怒濤の体験をシリーズでお届けいたします。
第3回目の今回は、中学受験の第一関門、受験校選び。我が家がどのように受験する学校を決めたかについてお伝えしたいと思います。
第1回 帰国子女受験をするに至った経緯はこちら↓
第2回 帰国子女受験界隈で知らない人はいない、英語塾KAについてはこちら↓
帰国子女受験ってどんなメリットが?
田舎育ちの私にとっては、中学校といえば公立しか選択肢がなく、小学校を卒業したらみんな当たり前にその町の中学に行く、そう言うものでした。
しかし、今や6年生の20%は中学受験をする時代だときき、いやはや、親は大変だぁ・・なんて他人事と思っていたのでした。
というのも、息子は上海で、高校までエスカレーターの学校に通っていたので、とりあえず、あと数年は受験と無縁!と決め込んでいたのです。
しかしやってきた悪夢の上海ロックダウン。このままここにいて良いのかという不安から上海脱出、帰国子女受験を目指すまでは前述したとおり。
中学受験を決めた時点ですでに6年生の7月。普通中学受験をするなら4年生とか、早ければ3年生とか、そんな時期から受験専門の塾に通わないと合格は難しいとされている中受で、6年の7月から参戦して勝てるわけがありません。
しかし、帰国子女受験ならまだチャンスがあると思えたのです。
というのも、帰国枠の受験科目はほぼ英語のみ、多くても国数英。
暗記が大変な社会や理科をスキップできるのは受験の面だけで見たら大きなメリットです。
しかも、国数英を課している学校も、「基本的には英語の点数のみで合否を判断します」と公言している学校もありました。
多言語環境にいる息子ですが、年齢を重ねるごとにやはり学校生活で使う言語=英語が一番自然に使いこなせる言語になっていたので、英語メインで受けられる学校に志望校を絞って行きました。
また、国数英の試験があるとしても、前述のようにほぼ英語しか見ない学校や、算数も英語で出題される学校は、息子にとってはメリットになると考えて、候補に入れていきました。
受験科目だけで決めるのは危険、入学後のプログラム
志望校決定において受験科目や学校の偏差値、女子校か共学か、など選ぶポイントはたくさんあります。
しかし、帰国子女受験においてそれ以上に大切なのが、入学後の学習環境です。
帰国子女枠合格者の入学後のプログラムは、概ね3つに分けられます。
①英語だけ取り出し英語授業、他は国内受験者と同じ日本語メイン授業
②すべて国内受験者と同じ日本語メイン授業
③英語メイン授業で国語(日本語)や日本史のみ日本語で行う授業
息子は上海の学校で、英語メイン+中国語の③のタイプで勉強してきていたので、日本でも中国語が日本語にとり代るだけのこのタイプが一番なじみやすいのではないかと考えました。
しかし、帰国子女受験のトップ校といわれる学校は大体①のプログラムで、英語以外は国内の熾烈な受験戦争をくぐり抜けてきた子供たちと同じハイレベルの授業を受けることになります。
トップ校は確かに素晴らしい進学実績や、魅力的なカリキュラムを擁しています。でも小3とか4とかからずっと受験を目指して頑張ってきた子たちと同じ土俵で中高切磋琢磨していく、というのは、志の高い子にとっては非常に理想的な環境だと思いますが、うちの子のように自覚の足りない子は着いていくのが難しいのではないかと考えました。
そのため、志望校は中学校からオールイングリッシュで授業を行う学校に的を絞っていくことにしました。
現実との折り合いをつけて志望校を確定する
受験科目や入学後のプログラムから志望校を絞り、この学校にいけたらいいなぁ。。というところが何校か浮かんできたのが8月末。
しかし、行きたい気持ちだけで行けるほど中受は甘くありません。
今の時点でその学校に行ける可能性はどのくらいあるのか、教えてくれたのが帰国子女アカデミーのKAATテストでした。
KAATテストは、過去の受験生の受験結果に基づいて、この学校に合格した子がKAAT受験の時点でどのくらいのスコアだったか、それに比べて自分のスコアがどのくらいか、を帰国子女受験できる学校かなりの範囲を網羅できるリストで示してくれます。
入塾テストを兼ねた初めてのテストの時は、志望校はかなり高嶺の花、という結果でした。
しかし、9月に受けた2回目(KAAT全体では3回目最後)では、志望校が完全に合格圏内と言えるスコアに達していました!
とはいえ、受験は12月。9月のKAATから3ヶ月も時間があるので、ここから追い上げてくる子がたくさんいます。
なのでこのテスト結果でほっと一安心、とは全くなりませんでしたが、ひとまずこのままの調子で頑張っていけば合格は夢ではないということが分かり、少し自信がつきました。
以上、帰国子女中学受験の志望校選びのポイントについてお伝えしました。
次回は具体的な受験勉強の内容についてお送りしたいと思います。